紫外線ランプによる除菌
紫外線除菌とは
太陽光線の一部である紫外線の中でも、特に除菌効果が高いのがUV-C(紫外線C)で、そのUV-Cを利用してウイルスや細菌を取り除くことを紫外線除菌と言います。
中でも、253.7nm付近の波長が紫外線除菌に最も効果的と言われています。
現在、販売されている紫外線による除菌製品で使われている紫外線もUV-C(紫外線C)であり、253.7nmの波長の紫外線のみを照射して除菌している製品も多く、100%に近い割合でウイルスや細菌を除去するとされています。
紫外線除菌ランプとは
紫外線の除菌ランプというのは、実は構造や原理が蛍光灯と全く同じものです。
蛍光灯はランプ管内の水銀が発する253.7nmの波長をライト内面に塗布した蛍光塗料で白色光に変換しています。
一方の紫外線除菌ランプは、その蛍光塗料を塗布せずに発光させているものとなります。
先に開発されたのは蛍光灯の方です。
開発された蛍光灯の低圧水銀ランプの波長が、除菌効果が最も高いと言われている253.7nmと一致していたことから除菌ランプとして応用されるようになっただけで、除菌ランプの誕生は偶然の産物と言っても過言ではありません。
ちなみに、アメリカで蛍光灯が誕生したのが1938年、日本国内で初めて除菌ランプが製造されたのは第二次世界大戦開戦前の1940年のことでした。
紫外線除菌製品に使われている紫外線ランプは、紫外線量も多く強力なので取り扱いには細心の注意が必要で、使用上の注意をよく守って使用しましょう。
紫外線除菌のメリット
- ほぼ全ての菌種に有効
- 常温で除菌できる
- 耐性菌が生まれない
- 薬剤を使用した時のような使用後の拭き取りや洗浄が不要
- 除菌効果に対する実験・研究結果が豊富にある
- 直接照射を避ければ安全
- 変異株・変異ウイルスにも効果が期待できる
- 紫外線のランプ寿命が長くコストが安い
紫外線除菌のデメリット
- 人体や生物への健康被害(急性/慢性の紫外線傷害)
- 樹脂に代表される有機材料などへのダメージ
- 光が届かない場所、影になる場所は除菌できない
紫外線除菌に適した場所
紫外線除菌製品は様々ありますが、どれも屋外には適していませんので、施設や建物などの屋内ということになります。
特に感染症のクラスターが発生するのは、ほとんどが屋内ということを考えても不特定多数の人が集まる施設や建物が適していると言えるでしょう。
これまでに日本国内でクラスターが確認された場所
■ スポーツジム
■ 雀荘
■ ライブ会場
■ 屋形船
■ 病院・医療機関
■ 学校
■ 保育園・幼稚園
■ カラオケ
■ 福祉施設
■ スキーのゲストハウス
■ ビュッフェスタイルの会食
■ 密閉された仮設テント
これらの場所の共通点は、「換気状況が悪い」「人々が密に集まる空間」「不特定多数の人が接触する可能性が高い」ということです。
紫外線照射によって空間に存在するウイルスや菌を除去できれば、屋内をクラスターの起こりにくい空気環境へと改善することが可能となるでしょう。